人類の未来予想と『時の地平線』

天才の思考法

こんにちは、いわしです。

書籍「天才科学者はこう考える」の151の視点を、僕の解釈と経験を加えながらご紹介していくプロジェクト。

今日のテーマは、「人類の未来予想と『時の地平線』」です。


【天才科学者の視点】時の地平線を広げよ

「人類は進化の頂点にいる」と思っていませんか?

恥ずかしながら、僕はそう思っていました。今が人類の完成形で、これからは衰退していくか、現状維持が続くだけ。なんとなく、そんな閉塞感を感じていました。

しかし、宇宙物理学者のマーティン・リース氏の視点は、その逆をいきます。

科学者の視点:人類は「進化の途中」である

リース氏の主張は衝撃的です。

「今、人類は進化の頂点にいるというのは間違いで、むしろ進化の途中だ」

僕たちは40億年の進化の果てに今を生きていますが、それは「終わり」ではありません。むしろ、ここから進化は急激に進んでいくというものでした。

なぜなら、これまでの「自然淘汰」というゆっくりした進化ではなく、「遺伝子操作」や「人工知能(AI)」という、人類自らが作り出した新しいドライバーによって、進化が急激に加速していくからです。

ダーウィンも「遠い将来、全く変化しない生物はいない」と言っています。

さらにリース氏は、僕たちに「時の地平線」を広げてみることを提案します。

  • 地球が誕生してから約40億年。
  • 太陽の寿命は、まだ半分も残っている(残り約60億年)。
  • 宇宙は永遠に膨張し、冷たくなっていく…。

僕たちは、壮大な宇宙史から見れば、まだ「折り返し地点」にすら立っていないのです。


AIの恐怖と「短期主義」

この視点は、現代の僕たちの悩みに強力な「解」を与えてくれます。

今、多くの人が「AIに仕事が奪われる」「AIが人類を支配する」といった不安を抱えています。

しかし、リース氏の視点に立てば、AIの出現すらも「人類の次の進化のプロセス」の一部と捉えることができます。それは「終わり」ではなく、新しい「始まり」の合図なのかもしれません。

また、この「60億年スケール」の視点は、現代社会に蔓延する「短期主義(ショートターミズム)」への強烈なアンチテーゼです。

四半期決算、来月のノルマ、今日のSNSの「いいね」の数…。僕たちの悩みは、驚くほど「今、ここ」に集中しています。

リース氏の視点(=時の地平線を広げる)は、環境問題や社会課題に対し、もっと長期的で本質的な思考を持つべきだと教えてくれます。


「悩み」を相対化する技術

では、この壮大すぎる話を、僕たちのちっぽけな(失礼!)日常にどう活かせばいいでしょうか。

答えはシンプルです。

「自分の悩みを、タイムスケールを変えて見てみる」ことです。

例えば、あなたが仕事で大きなミスをして、上司に叱責され、もう人生終わりだと思うほど落ち込んだとします。

そんな時、この「時の地平線」を思い出してください。

「この悩み、1年後も重要だろうか?」

「1万年後は?(笑)」

「ましてや、太陽の寿命が尽きる60億年後、このミスに何の意味がある?」

…どうでしょう。

悩みそのものは消えませんが、それが「命まで取られるほどのものではない」と、客観的に捉え直すことはできたはずです。

これが「時の地平線」を広げる力です。


結論:都合よく使って、今を生きる

さて、ここからが僕の解釈です。

この話をすると、必ず「逆もまた然りでは?」という反論が来ます。

つまり、「悩みが小さく見えるなら、日々の喜びや達成感も、どうでもいい『しょうもない事』に見えてしまわないか?

確かに。60億年のスケールで見れば、今日の成功も失敗も等しく「無」です。これではニヒリズム(虚無主義)に陥ってしまいます。

だから、僕からの提案はこうです。

「この視点、都合よく使っていきませんか?」

悩んで苦しい時、不安で眠れない時だけ、この「60億年スケール」を取り出すんです。

「宇宙から見ればチリ以下だ」と悩みを相対化し、心を軽くするための「お守り」として使う。

逆に、美味しいご飯を食べている時、大切な人と笑い合っている時、仕事で成果が出た時は、そんなスケールはさっさと忘れて、全力で「今、ここ」を喜べばいい。

それでいいんだと、僕は考えます。

リース氏の視点は、僕たちを虚無主義にするためではなく、過度なストレスから守り、今を生きやすくするための「知的な道具」なのだと思います。

最後に。

今後、人類のような知的生命体が宇宙に現れる可能性は十分にあるでしょう。

しかし、リース氏が言うように、「自らの進化の痕跡(=歴史や科学)を残していける最初の生物」であったことは、僕たち人類が誇っていい事実です。

僕たちは、40億年の物語の「最初の読者」であり、「60億年の続編」を書き始める、最初の著者だということになるのです。

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