【不安が消えない】ネガティブ思考を科学的に攻略する戦略的トレーニング(序章)

脳科学×心理学

こんにちは、いわしブログです。

突然ですが、あなたはこんなお悩み劇場ないですか?

  • 満員電車で隣の人と肩がぶつかった。「チッ、こいつ…」と思われたに違いない。最悪だ、、
  • 上司から「ちょっといい?」と声をかけられた。(終わった…あの案件のミスかも)
  • SNSで友人がキラキラした旅行の写真をアップ。「それに比べて私ときたら…ああ、」

心当たりのある方、多いのではないでしょうか笑

かくいう私も、旅行明けに重要なプレゼンが控えていて、不安を抱えていたためにその旅行が十分楽しめなかったなんてことがあります。

この理不尽なまでの「ネガティブ偏愛」。

実はこれ、あなたの性格が悪いからでも、運が悪いからでもありません。

すべては、我らがご先祖様から受け継いだ「生き残り戦略」なのです。

今日は、なぜ私たちの脳がこれほどまでに不安や心配事に執着するのか、その正体を科学的に丸裸にし、どうすればその呪縛から逃れられるのか、その「序章」をお届けします。

なぜ人類は「心配性」に進化したのか?

私たちの脳には、生まれつき「ネガティブ・バイアス」という機能が搭載されています。これは、ポジティブな情報よりもネガティブな情報を優先的にキャッチし、強く記憶する心のクセです。

なぜこんな面倒な機能が?

時計の針を、我らがご先祖様がサバンナで狩りをしていた時代に戻してみましょう。

ここに、二人のご先祖様(仮にAとBとします)がいました。

  • A(ポジティブ脳): 「あのガサガサ鳴る茂み、きっと美味しい木の実があるに違いない!イェーイ!」
  • B(ネガティブ脳): 「待て、あの茂み…昨日の物音と似ている。サーベルタイガーかもしれない。隠れよう」

さて、どちらの子孫が現代の私たちに繋がっているでしょうか?

答えは明白ですね。

ポジティブなAさんは早々に「おやつ」になり、心配性なBさんだけが生き残りました。つまり、私たちは「最悪の事態を想定し、ビクビクしていた者たち」の末裔なのです。

この「ビクビクOS」は、数万年前のサバンナでは最強の生存ツールでした。しかし、現代社会ではどうでしょう。

サーベルタイガーはもういません。しかし私たちの脳は、上司の機嫌や、SNSの「いいね」の数、LINEの既読スルーを「サーベルタイガー級の脅威」だと誤認し、アラートを鳴らし続けます。

その結果が、現代に蔓延する「孤独感」「完璧主義」、そして「心の不調」なのです。

苦しみの正体は「脳内無限ループ」

「でも、不安なのは事実だし…」

そう、問題はアラートが鳴ること自体ではありません。問題は、そのアラートをこじらせてしまうことです。

苦しみの正体。それは多くの場合、「あなたの基本的なニーズ(安全、所属、承認など)が満たされていませんよ!」という脳からの真っ当なシグナルです。

ところが、私たちはこのシグナルを受け取ると、こう考え始めます。

「なぜ私はいつもこうなんだろう…」

「あの時ああ言えばよかった…」

「どうせ私なんて…」

これが「反芻思考(はんすうしこう)」と呼ばれる、脳の無限ループ。

この「反芻思考」こそが、あなたのパフォーマンスを下げ、ポテンシャルを奪っている最大の原因です。

すべての苦しみは「私」から始まる

では、なぜ私たちはこんなにも「反芻思考」に陥ってしまうのでしょうか。

進化心理学や脳科学の知見を総合すると、衝撃的な仮説が浮かび上がります。

それは、「私は私」という自己の感覚こそが、苦しみを生み出す源だというものです。

「私」という感覚は、生きていく上で不可欠な機能(OS)です。

  • エピソード記憶: 「先週食べたラーメンが美味しかった」と記憶する。
  • アイデンティティ: 「自分はいわしブログの運営者だ」と認識する。
  • 感情の把握: 「今、ちょっとイラッとしたな」と気づく。
  • 所有感: 「この身体は私のものだ」と感じる。
  • 時間的連続性: 「10年前の自分と今の自分は地続きだ」と信じられる。

これらはすべて「私」という機能のおかげです。

しかし、この「私」という感覚にこだわりすぎると、問題が発生します。

例えば、「私は優秀でなければならない」という自己(アイデンティティ)にこだわると、小さなミスが許せなくなります(完璧主義)。

「私は愛されるべきだ」という自己にこだわると、他人の些細な言動に傷つきやすくなります(孤独感)。

不安傾向が高い人ほど、「私」という感覚(自己)が強いことが分かっています。

私たちは「脳が作ったVRゴーグル」越しの世界に生きている

「私」にこだわるなと言われても、難しいですよね。

ここで、さらに衝撃的な事実(あるいは科学的な見解)をお伝えします。

私たちが「現実」だと思っているこの世界は、厳密には「脳が作り出したシミュレーション」に過ぎません。

目や耳から入った電気信号を、脳が過去のデータ(記憶)と照合し、「たぶん、こんな感じだろう」と再構築した映像。それが私たちの見ている世界です。

私たちは皆、「脳が作った高性能VRゴーグル」を生まれつき装着しているようなもの。

そして、そのVR空間で主人公として動いているアバターが「私」なのです。

問題は、このアバター(私)を「絶対的な自分自身」だと信じ込みすぎること。

VRゲームの中でアバターがダメージを受けても、あなたは傷つきませんよね?

しかし、現実(だと思っているシミュレーション)では、アバター(私)がSNSで批判されると、あたかも自分の「本体」が傷つけられたかのように苦しんでしまうのです。

脳は「柔軟」だからこそ、ハックできる

ここまで聞くと、「人間の精神はなんて脆弱なんだ…」と絶望するかもしれません。

しかし、話は逆です。

私たちの脳が、これほど精巧なシミュレーション(VRゴーグル)を作れるということは、それだけ「柔軟性が高い」ということ。

そう。私たちの脳は、脆弱だからこそ、柔軟なのです。

もし脳がガチガチに固まったプログラムなら、私たちは不安から一生逃れられません。

しかし幸いなことに、私たちの脳は、新しい体験や学びによって(まるでVRゲームのアップデートのように)配線を変えることができます。

「私」というアバターへの過度な執着を手放し、脳が鳴らすアラート(不安)を客観的に眺め、CPUのフリーズ(反芻思考)を解除する。

そのための「科学的・戦略的トレーニング」が存在します。


今回は、私たちがなぜ悩むのか、そのメカニズムの「序章」を解説しました。

不安の正体が見えてきたところで、次回からは、ポテンシャルを最大限に引き出すための具体的なトレーニング方法を紹介していきます。

(次回へ続く)

参考文献:「無=(最高の状態)」(鈴木祐 著)

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