魅力の「正解」がわからなすぎる問題
どうも、いわしです。
僕は昔から、いわゆる「コミュ力おばけ」みたいな人に憧れつつも、なれずに生きてきました。
別に、パーティの人気者になりたいわけじゃない。でも、自分の意見がスッと通ったり、「あの人、なんか良いよね」と密かに言われたりする、そんな「人間的な魅力」がもう少し欲しい。そう思うわけです。
でも、この「魅力」ってやつを言語化できないだろうか。
「結局、イケメンか美女で決まるんでしょ?」
鏡を見るたびに「今世はお疲れ様でした」と諦めモードになったり。
かと思えば、巷には「魅力的に見える話し方」「相手を落とす心理テクニック」みたいな本が溢れてる。いくつか読んでみたものの、どうも表面的な感じがしてしまいます。「そんな器用なこと、できるかい!」と。
でも、あなたの周りにもいませんか? ルックスは「そこそこ」(大変失礼)なのに、なぜか人が集まる人。やたらと信頼されて、その人の言葉だけは皆が聞く、みたいな。
この差は一体、何なのか?
「顔」でも「小手先のテクニック」でもないとしたら、僕らが装備すべき「魅力の正体」とは何なのか。いつものように、科学の力を借りて、この難題に挑んでみました。
魅力の要素を科学する
「結局、顔なのか?」問題の最終回答
まず、残酷な事実からお伝えします。いわゆる「第一印象」において、外見的魅力は強力な武器になります。
人は0.1秒で相手の印象を判断しているという研究(Willis & Todorov, 2006; 文献311-20)もあり、見た目が良い方が有利なのは間違いありません。
でも、ここからが朗報です。
僕らは、0.1秒の付き合いで人生を終えるわけじゃありません。研究では、知り合ってからの期間が長くなるほど、外見的魅力が全体的な評価に与える影響は減少し、代わりに「性格」に関する情報が重要度を増すことが示されています(Hunt et al., 2015; 文献311-13)。
つまり、第一印象で出遅れても、長期的な「魅力」は「性格」でいくらでも逆転可能だということ。問題は、その「性格」とは具体的に何を指すのか、です。
魅力とは「有能さ」と「温かさ」
心理学の世界では、私たちが他人を評価するとき、主に2つの軸を使っていると考えられています。
それが「有能さ」と「温かさ」です(Abele & Wojciszke, 2018; 文献310-4)。
- 有能さ
- 賢い、信頼できる、実行力がある、一貫性がある、感情が安定している。
- 「この人に任せておけば大丈夫だ」という感覚。
- 温かさ
- 優しい、親切、共感してくれる、社交的、健康的。
- 「この人は自分の味方だ」「一緒にいて心地よい」という感覚。
もうお分かりですね。私たちが「なんか魅力的だ」と感じる人とは、「有能であり、かつ温かい人」のことなのです。
どちらか一方だけでは、魅力は半減します。
- 「有能だけど、冷たい」(怖い人)
- 「温かいけど、頼りない」(良い人どまり)
この2つの要素を、いかに相手の脳内にインストールするか。これが「魅力」の戦略的核心です。
「雑談」こそが魅力の戦場である
では、どうやって「有能さ」と「温かさ」を伝えるのか?
その最大の戦場が、あなたが「どうでもいい」と思っているかもしれない「雑談」です。
一見、無意味に見える雑談ですが、相手は無意識下であなたのOSを査定しています。
「この人は社交的か? IQは高そうか? 信頼できるか? 健康か?」と。
ここで重要なのが、「コミュニケーションの一貫性」です。
雑談の場と会議の場で言うことがコロコロ変わる人は、「一貫性がない」=「有能さが低い」と判断されます。雑談で相手の話を適当に聞き流す人は、「共感性がない」=「温かさが低い」と見なされます。
雑談は、あなたの「有能さ」と「温かさ」をプレゼンする、絶好のデモンストレーションの場なのです。
最強の武器:「感情的知性」
「有能さ」と「温かさ」を伝えるための、もう一つの強力な武器。それが「感情的知性」です(Cerald Meerh; 文献310-3)。
よく「感情をコントロールする」と言いますが、これは「無表情になる」ことではありません。むしろ逆です。
EIとは、「自分と相手の感情を正確に認識し、その情報を利用して、自分の思考や行動を導く能力」(Jaksic C, Schlegel K; 文献311-21)を指します。
- 相手の微妙な表情の変化から「あ、今不安になったな」と察知する(温かさ)。
- 自分がイラッとした時に「今、自分はイラッとしたな。でも、ここで怒鳴るのは得策ではない」と判断する(有能さ)。
このEIが高い人こそが、「優しさ」や「共感性」を適切なタイミングで発揮でき、同時に「感情の安定(コントロール)」も見せることができる、まさに「魅力的」な人なのです。
今日から始める「魅力」インストール術
「魅力」とは、生まれ持った顔立ちや、小手先のテクニックではありませんでした。
それは、「私は『有能』であり、かつ『温かい』人間です」という2つの要素を、日々のコミュニケーションや感情表現を通じて、相手に地道に伝えていく作業です。
この本質を理解すれば、私たちが今日から何をすべきかは明確です。
【本日の学びと行動】
- 雑談を「本番」と心得る
- (学び)雑談は「魅力の査定の場」である。
- (行動)明日から、雑談こそが自分の「一貫性」と「共感性」を見せる最大のチャンスだと意識を変える。相手の話を本気で聞く。
- 自分の感情の「解像度」を上げる
- (学び)魅力的な人は、感情のコントロールがうまい。
- (行動)「なんかイライラする」で終わらせず、「(Aさんに期待を裏切られて)悲しく、同時に(Bさんに迷惑がかかるから)焦っている」というように、自分の感情を具体的に言語化する訓練をする。
- 「有能さ」と「温かさ」のバランスを意識する
- (学び)魅力は「有能さ×温かさ」の掛け算である。
- (行動)自分の普段の言動が、相手に「有能さ」と「温かさ」のどちらを与えているか(あるいは、どちらも与えていないか)を客観的に振り返ってみる。
ルックスという「初期装備」で戦うゲームは、もう終わりです。「有能さ」と「温かさ」というOSを磨き、長期戦でじっくりと「魅力」を築き上げていきましょう。


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