どうも、いわしです。
突然ですが、僕は長年、非常に切実な悩みを抱えて生きてきました。
それは、「なぜ、最も静かにすべき瞬間を選んで『ギュルルル…』と鳴り響くのか?」という問題です。
静まり返った会議室、集中している試験中…。TPOという概念を腸内が一切学習してくれない。なんなら「今だ!騒げ!」と腸内で暴動を起こしているとしか思えません。
「またか…」と冷や汗をかきながら、平静を装うあの瞬間。急な腹痛でトイレの場所ばかり気にしてしまうあの焦燥感。これはもう「お腹が弱い」で済まされるレベルではなく、人生のQOL(生活の質)を著しく下げる「腸内テロ」です。
長年「体質だから」と諦めていましたが、ある日ふと思ったのです。「科学を武器にする僕が、腸ごときに振り回されてていいのか?」と。
これは、自らの腸と向き合い、「腸内平和」を勝ち取るまでの、科学と戦略の物語です。
腸内反乱軍を鎮圧する「三本の矢」
世には「腸活」情報が溢れていますが、根拠がなければ戦略は立てられません。
そこで見つけたのが、信頼できる論文たち。それらを読み解くと、腸内で起きていた混乱(過敏性腸症候群(IBS))を鎮圧するには、どうやら次の3つの戦略が必要だと分かりました。
優秀な「傭兵」を送り込む(プロバイオティクス)
まず、誰もが思いつく「ヨーグルト最強説」。つまり善玉菌を摂取する「プロバイオティクス」です。
これは「腸内反乱軍(悪玉菌)が暴れているなら、善玉菌を外部から送り込もう!」という戦略です。
実際に、プロバイオティクスがIBSの症状(腹痛や不快感)を改善する可能性は、複数の研究をまとめたシステマティック・レビュー(Moayyedi P, 2010など)でも示されています。専門家たちも、その有効性を認めるコンセンサスを出しています(Floch MH, 2015)。
早速、色々なヨーグルトや整腸剤を試しました。確かに、以前より「大崩れ」することは減った気がする…。
しかし、まだダメ。日によってムラがある。なぜだ?
敵の「兵糧」を断つ(低FODMAP食)
そこで僕が出会ったのが「低FODMAP食」という概念でした。
FODMAPとは、特定の糖類(発酵性のオリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール)の頭文字です。これらは小腸で吸収されにくく、大腸で腸内細菌のエサになりやすい。その結果、ガスが発生し、お腹の張りや腹痛を引き起こすというのです。

つまり、反乱軍(悪玉菌)が喜ぶ「エサ」こそが、玉ねぎ、ニンニク、小麦、リンゴ、納豆などに含まれるFODMAPだったのです。
この「兵糧攻め」戦略、つまり低FODMAP食がIBS症状を軽減することは、非常に信頼性の高いメタアナリシス(Marsh A, 2016)でも裏付けられています。
僕は「大事な会議の前日」だけでも、これらの食品を避けるようにしました。すると…おお、明らかに「ガスの発生」が減り、腹部の不快感が軽減したのです!
さらに腸内環境を整えたくなった私は次の戦略も取り入れました。
「司令塔」のパニックを鎮める(マインドフルネス)
傭兵を送り(プロバイオティクス)、兵糧を断った(低FODMAP)。
それなのに、なぜ強烈なストレスがかかる瞬間に、腸は律儀にギュルギュルと騒ぎ出すのか?
答えは「脳腸相関」にありました。脳(司令塔)が緊張や不安を感じると、そのシグナルが腸(前線)に伝わり、腸が過剰に反応してしまうのです。
つまり、僕が倒すべきは、腸内反乱軍だけでなく、「僕自身の脳」だったのです。
ここで役立ったのが、「マインドフルネス」でした。
2020年の研究(Naliboff BD, 2020)では、マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)がIBSの症状を改善することが示されています。
特に「今、ここ」の感覚に意識を向け、自分の身体感覚を「評価せずにただ観察する」ことが重要だといいます。
これは、「脳のパニックを鎮静化させ、腸の混乱を抑える」という、高度なメンタル戦略です。
腹痛になった時、以前の僕は「やめろ!止まれ!」とパニックになっていました。
しかし今は違います。「腸が活発に動いているな」と、他人事のように実況中継するのです。
すると不思議なことに、パニックが収まり、腸の過剰な動きも次第に落ち着いていくのでした。
腸内平和を勝ち取るための「3つの行動指針」
長年「体質」だと諦めていた急な腹痛。しかし、科学と戦略の視点で分解すれば、それは対処可能な「戦い」でした。
僕たちが学ぶべきは、「腸内環境は、一つの要素で決まる単純なものではない」ということです。必要なのは、以下の戦略です。
- 【傭兵戦略】「善玉菌」を送りこむ。まずは2週間、整腸剤を試しましょう。プロバイオティクスは人によって相性があります。合わなければ次へ。自分だけの最強の傭兵を見つけてください。
- 【兵糧攻め戦略】低FODMAPを意識する。毎日厳密にやるのは大変です。でも、「明日は絶対に失敗できない」という日の前日だけ、玉ねぎ、ニンニク、パン、リンゴなどを避けてみる。それだけでも、当日のコンディションは劇的に変わります。
- 【司令塔鎮静戦略】「ヤバい」と思ったら「実況中継」する。お腹がグルグルし始めたら、パニックにならず「お、腸が動いてるな」と、心の中で冷静に実況します。脳のパニックを止めれば、腸の暴走も落ち着くでしょう。
僕はこの戦略で、人生のQOLを取り戻しました。もう、大事な会議で冷や汗をかくことはありません。
あなたの腸内にも、平和が訪れることを願っています。


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