どうも、いわしです。
「人生100年時代」なんて言われますが、もし最後の20年間が、ベッドの上だったら…と考えると、私は「寿命」そのものより「健康寿命」の方が100倍気になります。。
階段を上るのがちょっと億劫になった。
昔なら徹夜明けでも走れたのに、今は昼寝しないと持たない。
そんな「なんとなくの衰え」。
これ、放置しておくとヤバいサインかもしれません。
「うーん、ジムでも行くか…でも続かないんだよな…」
「ランニングは膝が痛いし…」
わかります。その「続かない」悩み。
だからこそ、今日は「楽しすぎて、結果的に健康になってしまう」という、ちょっとズルい戦略を提案したい。
それが、ブラジリアン柔術です。
「なんで柔術?ほかのスポーツは?」
「衰え対策に格闘技とか、ハードすぎない?」
そう思いますよね。でも、柔術は「ただの格闘技」ではありません。
これは、身体の隅々に“貯筋”ならぬ“貯健”(健康を貯める)をするための、極めてロジカルな身体活動なんです。
※本記事は、特定の疾患の治療や予防を保証するものではありません。あくまで健康的なライフスタイルと運動の一環として、生理学的な側面から考察するものです。
なぜ柔術は「究極の全身運動」なのか?
「健康のために運動しましょう」と言われて、多くの人が「ランニング(有酸素運動)」か「筋トレ(無酸素運動)」を思い浮かべます。
しかし、柔術は、この両方を同時に、しかも高次元で実行できる稀有なスポーツです。
1. “HIIT”が楽しくできる(有酸素+無酸素)
柔術のスパーリング(実戦形式の練習)は、だいたい1ラウンド5分。
この5分間が、まさに「動く地獄」であり「最高のトレーニング」です。
- 無酸素運動(筋トレ)の側面:相手の道着を全力で掴む(握力)、相手を押しのける(胸・肩)、ブリッジで跳ね返す(背中・お尻)、絞め技から耐える(首・体幹)。これらはすべて、短時間に最大筋力を発揮する無酸素運動です。いわば、5分間ずっと筋トレの「高負荷状態」が続きます。
- 有酸素運動(心肺機能)の側面:かといって、休む暇はありません。相手は動いていますから、自分も動き続けないといけない。ポジションを取り、移動し、回避する。この連続的な動きは、心拍数を高いレベルで維持し続ける有酸素運動です。
5分間、「全力ダッシュ(無酸素)」と「ジョギング(有酸素)」を繰り返す最強のインターバル走(HIIT)を、相手とゲームをしながらやっているようなもの。
これが全身の筋肉と心肺機能に効かないわけがないんです。
2. 姿勢改善・代謝UP
私たちの日常動作は、驚くほど偏っています。
デスクワークなら指と腕だけ。歩くにしても、使うのは主に太ももの前側。
結果、お尻や背中、内ももといった「大きな筋肉」はどんどん“冬眠”してしまいます。これが、姿勢の悪化や基礎代謝の低下(=太りやすく疲れやすい身体)を招く原因です。
しかし、柔術はそんな“サボり筋”を許してくれません。
- 姿勢(体幹):柔術は「テコの原理」のスポーツ。その支点となるのが「体幹(コア)」です。相手に崩されまいと踏ん張る時、相手をひっくり返す時、意識せずとも腹筋と背筋が働きます。これが天然コルセットとなり、日常の姿勢が「スッ」と伸びる感覚が得られます。
- 代謝(下半身):特に寝技では、足で相手を挟み込む「ガード」という動作が多発します。これは、内もも(内転筋)やお尻(臀筋)を強烈に使います。これら下半身の大きな筋肉が目覚めると、基礎代謝量が上がります。つまり、「何もしなくてもエネルギーを消費しやすい、燃費の悪い(=太りにくい)身体」へとシフトしていくのです。
科学が示唆する「運動と身体のいい関係」
柔術のハードな運動は、私たちの身体の内部(ホルモンや神経)にも良い影響を与える可能性が、多くの研究で示唆されています。
睡眠の質
柔術のような高強度の運動を定期的に行うことは、深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間を増やすことと関連しています。日中に体を限界まで使うことで、脳が「これはしっかり休んで回復させねば!」と判断するわけです。「気絶するように眠る」という表現がピッタリなほど、睡眠の質が変わるのを体感できます。
血糖値の安定
食後の眠気やダルさの原因の一つが、血糖値の乱高下。近年の研究では、筋トレや高強度インターバル運動が「インスリン感受性」を高めることが強く示唆されています。
これは、筋肉が血液中の糖を効率よく取り込んでくれるようになる、ということ。柔術で全身の筋肉を酷使することは、血糖値の安定にも一役買ってくれる可能性があるのです。
(※糖尿病等の治療を意味するものではありません)
いわしが感じた「疲れの質の変化」
私自身、柔術を始める前は、典型的な「デスクワーカーの疲れ」でした。
なんていうか、「重く、淀んだ、粘土のような疲れ」。頭は疲れてるのに体は動かしてないから眠れない、最悪のパターンです。
柔術を始めてからの疲れは、質が全く違います。
「カラッとした、心地よい、やり切った感のある疲労」です。
そして何より、「自然と健康的にならざるを得ない」んです。
あんなにキツい練習をした後は、身体がジャンクフードを欲しがりません。本能的に「良いタンパク質」や「回復のための炭水化物」を求めるようになります。
そして、夜は泥のように眠る。
「健康のために食事を我慢しよう」
「健康のために早く寝よう」
という「意志の力」に頼るのではなく、
「運動がキツすぎて、自然と良い食事と睡眠を選んでしまう」
という「仕組み」で健康を維持する。
これこそ、面倒くさがりな我々にとって、最も戦略的でサステナブルな健康法だと思いませんか?
未来の自分のために「転がる」という投資
私たちは「衰え」と戦うことはできません。でも、「衰えのスピードを緩める」準備はできます。
柔術は、相手と戦うスポーツであると同時に、「未来の衰え」と戦う、最強のアンチエイジング戦略です。
学び
なぜ筋肉が「健康寿命」に不可欠なのか? もっと深く知りたい方は、『サルコペニア』に関する書籍や、運動生理学の入門書を読んでみてください。「筋肉は裏切らない」が、科学的に理解できます。
行動
「でも、やっぱりハードそう…」と不安な方。大丈夫。最初は「エビ(エビのように動く基礎動作)」や「受け身」から。マットの上をゴロゴロ転がるだけでも、体幹が鍛えられると思います。
まずは近所の道場の「見学」や「体験」を検索してみましょう。必要なのは「強さ」ではなく「始める勇気」だけです。
一番失ってはいけない資産は「身体」。
未来の自分のために、今日から「貯健」を始めてみませんか?
それでは、また。いわしでした。

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