深夜の「締めラーメン」は、なぜ僕の意志力を粉砕するのか?
どうも、いわしです。ダイエットを始めました。
昨夜、飲み会の帰り道。「今日は完璧だった。アルコールも控え、揚げ物も我慢した。完璧な自己管理だ」と誇らしい気持ちで駅に向かっていました。
その時、豚骨ラーメンの看板を見ました。
換気扇から漏れ出るおいしそうな香り。「一口だけ…」という謎の言い訳と共に、気づけば僕はカウンターに座り、替え玉まで注文していました。
翌朝、強烈な自己嫌悪。「なぜ僕はこうも意志が弱いんだ…」。甘いものも同じです。仕事中、ちょっと疲れると無意識にデスクのチョコレートに手が伸びる。
皆さんも経験ありませんか?「今日こそは甘いものを控えるぞ!」と誓った3時間後には、コンビニの新作スイーツを吟味している、といったこと。
僕はずっと「自分の意志が弱いからだ」と責めてきました。でも、もし。もし、僕らの脳が、そもそもラーメンやケーキに勝てるように設計されていないとしたら…?
「糖×脂肪」に勝てない理由
「意志が弱い」という自己評価に疲れ果てた僕は、いつものように科学の世界に答えを求めました。そして、ある進化心理学の論文(※1)で衝撃の事実にぶち当たります。
結論から言うと、僕らがジャンクフードに抗えないのは、意志力の問題ではなく、脳の「バグ」であり「進化の罠」だったんです。
脳は「糖×脂肪」に逆らえない
科学者たちは、人間が強烈に惹きつけられる食べ物の組み合わせを発見しました。それが「糖質 × 脂質」です。
考えてみてください。ラーメン(麺=糖、スープ=脂)、ケーキ(スポンジ=糖、クリーム=脂)、ポテトチップス、ピザ、チョコレート…。僕らが「辞められない」と嘆くもののほとんどが、糖×脂肪でできています。
自然界において、「糖」と「脂肪」が同時に豊富に含まれる食べ物は、ほぼ存在しません。唯一の例外が「母乳」くらいだとか。
僕らの脳はまだ「狩猟採集時代」を生きている
ここからが本題です。なぜ「糖×脂肪」はこれほど僕らを狂わせるのか?
それは、僕らの脳がまだサバンナで狩りをしていた時代のOSを積んでいるからです。
狩猟採集時代、食べ物は常に不足していました。カロリーを摂取できるチャンスは稀。そんな環境で、もし奇跡的に「高糖質」かつ「高脂質」の食べ物を見つけたら、どうすべきか?
答えは「今すぐ、あるだけ全部食べろ!次にいつ出会えるかわからないぞ!」です。
この「今すぐ食え!」という強烈な指令を出すために、脳は大量のドーパミンを放出するように進化しました。「これを食べると最高に気持ちいいぞ!」と脳に刷り込むことで、確実にカロリーを摂取させようとしたわけです。
現代の悲劇:サバンナ脳 vs コンビニ
このOSが、現代で悲劇を生みます。
狩猟採集時代には「奇跡の獲物」だった「糖×脂肪」が、現代ではどうでしょう? コンビニに行けば、たった数百円で、ケーキ、ラーメン、スナック菓子が手に入ってしまいます。
僕らの脳は「うおお!奇跡の獲物だ!今すぐ食え!」とドーパミンをドバドバ出し続ける。
つまり、意志力でジャンクフードを我慢するというのは、何万年もかけて最適化された「生き延びろ!」という脳の最強指令に、たかだか数年の「痩せたい」という理性が立ち向かうようなもの。僕らは進化的に、ジャンクフードに負けるように設計された生き物だったのです。
僕の試行錯誤
僕は趣味で柔術をやっていますが、試合前は減量をします。この「サバンナ脳」の仕組みを知る前は、まさに意志力との戦いでした。冷蔵庫に食べ物を入れたまま、「俺は耐える…耐えるぞ…」と修行僧のように我慢し、そして爆発する。
しかし、この進化のバグを知ってから、僕は戦い方を変えました。
意志力で「戦う」のではなく、そもそも「戦わなくていい状況」を作る。ライオンを目の前にして「待て」をさせるのではなく、ライオンのいる檻に近づかない「環境設計」こそが、唯一の科学的かつ戦略的なアプローチだと気づいたのです。
結論:意志を当てにするな。環境をハックせよ。
僕らがジャンクフードに負けるのは、意志が弱いからではありません。脳のOSが古すぎるだけです。
このどうしようもない「進化のバグ」を直視することから、本当の対策が始まります。自分を責めるのは今日で終わりにしましょう。
僕らが今すぐ取り組むべきは、意志力を鍛える筋トレではなく、ドーパミンを暴走させないための「環境ハック」です。
今すぐできる「食欲ハック」3つの行動
- 【視界から消す】最強の対策は「買わない」ことです。サバンナ脳は「見えている獲物」を我慢できません。家にお菓子のストックを置かない。会社のデスクに置かない。これが基本にして奥義です。
- 【近づかない】僕は飲み会の帰り、ラーメン屋がある道を避けて帰るようにしました。コンビニでも、スイーツコーナーには絶対に立ち入らない「動線」を設計します。「見ない」こと。それがサバンナ脳を刺激しない唯一の方法です。
- 【あえて「分離」して食べる】どうしても食べたくなったら、「糖×脂肪」のハイパーベイトを避けます。例えば、ケーキ(糖×脂)ではなく「和菓子」を選ぶ。ポテチ(糖×脂)ではなく「ナッツ」を選ぶ。これだけで、脳のドーパミン暴走はかなりマシになります。
脳の設計が不利なだけ。
そう理解して、自分を責める代わりに、賢く環境をデザインしていきましょう。
(※1)参考:『The Hungry Brain: Outsmarting the Instincts That Make Us Overeat』


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